早慶高校を受験する方は必見です!早慶高校受験の結果は、合格・不合格だけではありません。「補欠」という結果があります。
早慶高校受験では「補欠」となるのは珍しいことではありません。大変多くの「補欠」が発表されます。そのため、早慶高校を受験する方は「補欠」のことを知っておく必要があります。
今回、慶應卒の父親が早慶高校受験の「補欠」について皆さんにお話ししたいと思います。
※あくまでも2021年度入試の「補欠制度」を独自に調査したもので、今後は制度変更となる可能性がありますので留意願います。
早慶高校の2021年度入試結果
首都圏の早慶付属高校(男子)は慶應高校・慶應志木・早大学院・早大本庄・早稲田実業は5校あります。「補欠」についてお話する前に、2021年度の早慶付属高校5校の入試結果を見てみましょう。
下表のとおり、各校とも募集定員を多く上回る合格者数を出しています。合格者から募集定員を引いた人数は1,156名ですが、この数はおよそ入学辞退者の数といえます。
[早慶高校2021年度入試結果]
志願者 (名) | 合格者 (名) | 募集定員 (名) | 合格者- 募集定員 (名) | |
慶應高校 | 1,076 | 470 | 300 | 170 |
慶應志木 | 1,106 | 329 | 190 | 139 |
早大学院 | 1,507 | 497 | 260 | 237 |
早大本庄 | 1,428 | 559 | 100 | 459 |
早稲田実業 | 521 | 201 | 50 | 151 |
900 | 1,156 |
※一般受験のみの数
※慶應志木は2次合格者数
※早大本庄・早稲田実業は男子のみ集計
2021年度入試では慶應高校と早稲田実業は同一の試験日でした。また、慶應志木の2次試験と早大学院の入試日が重なっていました。
首都圏で早慶高校は4校まで志願できます。最大の合格数は3校になります。3校合格すれば「全勝」ということです。
[必見]
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早慶高校入試の「補欠」について
早慶高校は最大4校志願できますが、大半の受験生が複数校受験しますので、複数校の合格者がでます。入学できるのは1校ですから、複数校合格した場合は入学を辞退することになります。
早慶高校の併願だけでなく、東大・京大・一橋等の難関国立大学を目指して、開成や学芸大学附、都立・県立難関高校と併願する受験生も多くいます。
早慶高校の人気は分散しており複数校を合格した場合の辞退者が多く発生します。早慶高校各校は定員数を確保するために、辞退者を見込んで合格者と補欠を発表します。
複数校の合格者のうち入学辞退者を埋めるために「補欠」から繰り上げて合格発表するのです。早慶高校入試の結果は4つです。
- 「正規合格」
- 「補欠」から「繰り上げ合格」
- 「補欠」から「繰り上げされず不合格」
- 「不合格」
この4パターンがあることを知っておかなければなりません。
近年の少子化の影響で人気のある大学に生徒が集中することを避けることを目的として、国が「大学の定員数の厳格化」を指導しています。
定員をオーバーした場合は国からの補助金がでないこともあり、慶應大学・早稲田大学ともに定員を厳格化する運営をしています。この影響が大学の付属高校にも波及しているということです。
つまり、早慶付属高校は募集定員を守るように合格者数を決定する入試運営をしています。「補欠」を発表して繰り上げていくという運営を行っているのです。
早慶高校入試の「補欠」は各校で運営が異なります。2021年度入試について調査した結果を紹介しますので、各校の特徴を確認していただければと思います。
ちなみに、2022年度以降の入試では制度が変更になるかもしれません。最新の早慶高校入試の状況については、早稲田アカデミー等の大手進学塾に確認するといいでしょう。
また、入試が始まってからの最新情報はインターネット掲示板「インターエデュinter edu」や「早稲田アカデミー掲示板」に書き込みがあると思いますので、その情報から把握しましょう。
早慶高校入試「補欠」のことを知っておくべき理由
早慶高校受験では「補欠」というのは数人ではありません。2021年度入試では慶應高校が約200名・慶應志木が約160名・早大学院も約100名以上・早大本庄も相当な人数の「補欠」が発表されます。
そして、早慶高校の受験生は「補欠」のことを知っておかなければならない理由は、「補欠」という結果を受けた時から、繰り上げ合格を待つ辛さが始まるからです。
「補欠」というのは合格でもなく、不合格でもない状況です。「補欠」という結果を受けてから繰り上げ合格を待つことになります。補欠の繰り上げは都立・県立の合格発表まで入学者が募集定員に達するまで最長約2週間の間、続いていきます。
「自分は繰り上げ合格できるのだろうか・・」という期待と不安の入り混じった気持ちで待ち続けなければなりませせん。精神的にも相当つらい状況が続きます。だからこそ、早慶高校の受験生は、自分が「補欠」の通知を受けた場合のことを想定しておく必要があります。
2021年度慶應高校入試の補欠
慶應高校の2021年度入試の募集定員(一般)は約300名でした。早稲田実業や開成高校と試験日が重なりますが、慶應志木・早大学院・早大本庄との併願する受験生も多く大変な人気校です。
国立大学を目指して国・公立高校を第一志望とする併願者、特に神奈川県立の横浜翠嵐・湘南高校等の併願者が多く受験します。
慶應高校の2021年度入試の合格発表では募集定員数と同数の約300名の合格者数を発表しました。そして約200名の「補欠」を発表しました。
[慶應高校2021年度入試結果]
志願者 (名) | 合格者 (名) | 募集定員 (名) | 合格者 -募集定員 (名) | |
慶應高校 | 1,076 | 470 | 300 | 170 |
慶應高校が募集定員と同数の合格者を発表して、大量の「補欠」を発表して繰り上げていく運営をしているのは、過去に辞退率を見誤って多くの合格者を発表してしまい、結果として募集定員を大幅に上回る合格者に入学を許可せざるを得なくなったという失敗があったという噂です。
先ほどお話したように「大学の定員厳格化」がありますので、高校も定員をオーバーしたくないという想いから、このような慎重な運営になったと言われています。
毎年、多くの辞退者がでますが、それでも慶應高校は開成高校や早稲田実業との併願が出来ないこと、そして人気校のため第一志望の受験者が多く、早慶高校の中では辞退率が低いことが特徴です。
[慶應高校の補欠制度の詳細]
2021年度入試において慶應高校の合格発表では、合格者が約300名発表されました。同時に「補欠」が約200名A~Hのグループに分かれて「補欠A」「補欠B」・・・・「補欠H」というように発表されました。1グループは10~20名前後だと思います。
合格発表後に入学手続き(授業料の振込)を行った者が入学許可となります。入学手続きに参加しない辞退者数に応じて「補欠」の繰り上げ合格者が発表されていきました。
「補欠」からの繰り上げ合格の発表は所定の時間に慶應高校の掲示板に掲示されますので「補欠」となった方は、自ら掲示板を見に行く必要がありました。
2021年度入試では合格発表後の入学手続き直後から、早慶高校等に複数合格した辞退者が発生して、それを補うため「補欠A」から順番にグループ毎に繰り上げ合格者が発表されていきました。
繰り上げ合格者の中に辞退者が出ますから、また「繰り上げ合格」を発表します。そして定員数を確保できるまで「補欠」の繰り上げ合格発表が続きました。
そして、募集定員に達した時点で、繰り上げの合格発表が終了となりました。最終的には神奈川県立高校の合格発表直前まで「繰り上げ合格」の発表がありました。
2021年度の場合は「補欠G」まで、推計約170名が繰り上げ合格となったようです。このように慶應高校の入試では「補欠」」を大量発表して順次繰り上げしていく方式でした。
「補欠からの繰り上げ合格者」が多くなるのが特徴です。ここ数年同じような運営をしていますが、2022年度入試ではどうなるかはわかりません。
※参考:2020年度入試では補欠の繰り上げ合格者が143名いたようです。
※2021年度の慶應高校の入試ではコロナの影響で2次試験の面接はありませんでした。
合格発表はインターネットのみで実施されたため、掲示板に受験番号を掲示する発表方式と違って、合格者数や補欠が何人いたかは正確にはわからないので、近年の入試の状況からの推測になりますことをご了承願います。
2021年度慶應志木入試の補欠
慶應志木は埼玉県の学校のため早慶高校の中では、一番早い試験日です。入試問題の難易度が高く開成高校や国立大学付属高校志望者、難関公立高校の志望者がテスト慣れ(練習)で多く受験します。
慶應志木の2次試験日が早大学院の入試日と重なるため早大学院への辞退者はありませんが、辞退者も多くなるのが特徴です。
2021年度入試ではコロナの影響で2次試験の面接はありませんでした。慶應高校と同様に「補欠」を発表して繰り上げ発表していく方式でした。
[慶應志木の補欠制度の詳細]
2021年度の慶應志木高校の入試の合格発表では、正規合格者が約350名、補欠が約160名発表されたようです。慶應志木の募集定員は190名ですから、約160名以上の辞退者を見込んで合格発表しています。
「補欠」は、「補欠1番」~「補欠79番」まで、1グループ1~7名の小グループに分かれて発表されました。
合格発表後に入学手続き(授業料の振込)を行った者が入学許可となります。入学手続きに参加しない辞退者数に応じた繰り上げ合格者が発表されていきます。2021年度は補欠からの繰り上げ合格の発表は電報での通知でした。
2021年度入試では合格発表後の入学手続き直後から、早慶高校・開成高校等に複数合格した辞退者が発生して、それを補うため「補欠1番」から順番にグループ毎に繰り上げ合格者が発表されていきました。
当然、繰り上げ合格者の中に辞退者が出ますから、また「繰り上げ合格」を発表します。そして定員数を確保できるまで「補欠」の繰り上げ合格発表が続きました。
そして、募集定員に達した時点で、繰り上げの合格発表が終了となりました。最終的には埼玉県立高校の合格発表直前まで「繰り上げ合格」の発表がありました。
2021年度の場合は最終的には「補欠39番」まで、推計約80名が繰り上げ合格となったようです。慶應志木高校の入試では、慶應高校ほど「補欠からの繰り上げ合格者」が多くはありませんが、約80名が繰り上げ合格となったのが2021年度です。
早大学院の入試の補欠制度(2021年度)
早大学院の補欠制度は、慶應高校・慶應志木とは大きく異なりました。早大学院は過去の辞退率からある程度の辞退者を見込んで、募集定員より多く合格者を発表しました。
早大学院もAから数名毎に「補欠」を発表しますが、初めに辞退率を見込んで募集定員以上の合格者を発表しますので、「補欠」からの繰り上げ合格者が少ないというのが特徴です。
「補欠」からの繰り上げ合格発表はグループ毎ですが一人ずつ発表していく方法です。発表は早大学院の掲示板に「グループの一部を繰り上げたこと」を通知して個別に電話で通知するという運営でした。
慶應高校・慶應志木は「補欠」からの繰り上げ合格者は多くなるのに対して、早大学院は「補欠」からの繰り上げ合格者は少ないのが特徴です。過去、「補欠」からの繰り上げ合格者がゼロの年もあったようです。
そのせいか早大学院の「補欠」に関する情報が少ないので、正確なところはわかりませんが、2021年での「補欠からの繰り上げ合格者」は数名~多くても20名前後だった思われます。このように早大学院の場合は「補欠」からの繰り上げ合格が期待できなかったと言えます。
2021年度早大本庄入試の補欠
早大本庄2021年度入試については受験日が重なる学校が少なく併願者も多く、複数合格して辞退者が多くなるのが特徴です。
ご覧のとおり、2021年度入試(男子・一般)では募集定員100名に対して559名の合格者を発表しています。つまり、その差459名の辞退者がでたということです。
[早大本庄2021年度入試結果]
志願者 (名) | 合格者 (名) | 募集定員 (名) | 合格者- 募集定員 (名) | |
早大本庄 | 1,428 | 559 | 100 | 459 |
早大本庄の補欠からの繰り上げ合格は電話でされたようですが、情報が少なく詳細はわかりませんでした。合格者から相当数の辞退者が発生するので、多くの繰り上げ合格者の発表があったと思われます。
最後に 早慶高校受験生へ
早慶高校入試の「補欠」制度についてお話しました。万一、「補欠」の通知を受けると、繰り上げ合格を待つ期間は相当つらい想いをすることになります。
早慶高校の受験生に声を大に言いたいです!
- 早慶高校を全勝するつもりで勉強しよう
- 中途半端は絶対に後悔します
- 実力差はそれほどありません
- 実力が同じなら気持ちが強い方が勝つ
- 後悔しないために気合で勉強しよう
「早慶高校どこか1校でも受かればいい・・」というレベルで受験すると、第一志望に入れずに後悔することになります。「複数合格して第一志望に入るのとそうでないのは入学してからの気持ちの持ち方が変わってきます。
繰り返しになりますが、後悔しないように絶対に全勝する気持ちで受験勉強しましょう。高校受験は人生で1回しかありません。やり直しができません。まさに「いつやるのか?今でしょ」です。
また、早慶高校入試では1点で何十人も順位が変わってきます。1点を大事に、ミスを出さないような訓練をして合格を勝ち取ってください。皆さんの人生の大きな分岐点、後悔のないような受験勉強をしてください。
★現在「補欠」の通知を受けた方は
精神的に大変つらい状況であると思いますが、最後まで「繰り上げ合格発表」があることを信じて待ちましょう!できることは全てやったのですから・・・・