算数オリンピックの参加を考えている小学生のお父さま・お母さはま必見です!
算数オリンピックは算数が得意な小・中学生が全国から集結する「知の祭典」です。予選から決勝大会まで多くの小・中学生が難問・奇問にチャレンジしています。
この記事では、慶應卒の父親が「算数オリンピックとは何か?」について解説します。そして「算数オリンピック対策とおすすめの問題集」を紹介します。
小学生には算数オリンピックおすすめ?
結論から言いますと、算数が好きな子、算数が得意な子は算数オリンピックへの参加をおすすめします。全国の小学生と競い合う大舞台に立つことは、貴重な経験となり思い出に残るでしょう。
そして入賞すれば、大きな自信にもなります。スポーツで競い合うのと同じで、何か1つの目標を持って一生懸命に取り組むことは子供の成長にとても大切なことです。
一方、算数があまり好きでない子や算数が苦手な子にはおすすめしません。無理に挑戦すると、問題がなかなか解けずに、算数が嫌いになってしまう可能性があります。
また、勉強の習慣がついていない小学生も多いと思います。そういう子には、好きなことに取り組ませて、まずは勉強の習慣をつけることが先決です。
算数という科目は思考力や発想力を鍛える重要な科目ですが、小学生のうちは算数よりも国語や英語の語学が重要と思います。語学はあらゆる科目のベースとなるものです。読む・聞く・書く・話す力を身につけていく必要があり、短期間では上達しないからです。
なお、中学受験で難関中学を勉強している子は塾から算数オリンピックの参加をすすめられることもあると思います。ぜひ、日頃の勉強の成果を試す意味で挑戦してみましょう。
2024年度
算数オリンピック大会
ジュニア算数オリンピック
広中杯中学生数学大会
ジュニア広中杯キッズBEE
トライアル地方大会は
2024年6月16日(日)
引用:算数オリンピック公式HPより
算数オリンピックとは
算数オリンピックとは、小・中学生を対象とした算数・数学のコンテストです。1992年に第一回大会が開催され、以後毎年開催されております。
主催:一般財団法人 算数オリンピック委員会 後援:(財)数理科学振興会
毎年6月に「トライアル地方大会」という予選大会が全国各地で開催されます。翌月の7月に予選を勝ち抜いた方が東京・大阪・福岡で開催される「ファイナル決勝大会」に招待されます。そして、ファイナル大会で優秀な成績を収めた方の表彰式が8月に東京で開催されます。
スポーツのオリンピックと同じように、入賞者には金メダル・銀メダル・銅メダルが授与されます。算数オリンピックは、小学生・中学生の才能発現の場となることを目的に開催される算数と数学のイベントです。子供たちが、思考力と独創性を競います。学習の進度や受験の目安を測るテストではありません。
算数オリンピックはフィールズ賞受賞者であり世界的な数学者である広中平祐先生により提唱されました。中国・イラン・インドネシア・シンガポール・タイ・フィリピン・ベトナムといったアジアの国々でも開催されています。
算数オリンピックの大会種目
大会種目は学齢等により5種目に分かれています。
算数オリンピック
小学生ならだれでも参加できますが、主に小学6年生を対象とした大会です。算数という万国共通の種目で、思考力と独創性を競い合う大会として1992年に創設されました。予選・決勝を通じて女子の最高合計得点者には「古川賞」が授与されます。
ジュニア算数オリンピック
小学生5年生以下を対象とした大会です。1997年より開催されています。
算数オリンピックキッズBEE大会
小学1~3年生対象の大会です。2009年より開催されています。低学年の子供たちにも算数の面白さを知ってもらうことを目的とされています。予選と決勝大会を通じて、最高合計得点者には「長尾賞」が授与されます。
広中杯
中学3年生以下を対象とした全国中学生数学大会です。数学界で最高の栄誉のフィールズ賞受賞者の算数オリンピック大会会長広中平祐京大名誉教授にちなんで創設されました。2000年から始まりました。
ジュニア広中杯
中学1・2年生を対象とした全国中学生数学大会です。2004年より開催されています。
【参加対象】
算数 オリン ピック | ジュニア 算数 オリン ピック | 広中杯 | ジュニア 広中杯 | キッズ BEE | |
小学1~3年 | ○ | ○ | × | × | ○ |
小学4~5年 | ○ | ○ | × | × | × |
小学6年 | ○ | × | × | × | × |
中学1~2年 | × | × | ○ | ○ | × |
中学3年 | × | × | ○ | × | × |
算数オリンピックへの参加申込
算数オリンピックは、小学校6年生以下が対象、ジュニア算数オリンピックは小学校5年生以下が対象となります。小学5年生以下は「算数オリンピック大会」か「ジュニア算数オリンピック大会」のどちらか一つの大会しか参加できません。キッズBEE大会は小学1~3年生が対象ですが未就学児童は参加できません。
「広中杯」は中学校3年生以下が対象、「ジュニア広中杯」は中学1・2年生が対象です。中学1・2年生は「広中杯」か「ジュニア広中杯」のどちらか一つの大会にしか参加できません。
申込は算数オリンピック公式HPより、例年4月~5月中旬に申込み受付となります。
参加費用(20223年度)
トライアル地方大会・・5,250円(税込)
ファイナル決勝大会・・無料招待
算数オリンピックの大会要領
■トライアル地区大会
トライアル地方大会とは予選大会のことです。6月に算数オリンピック委員会の指定する全国の約200会場で開催されます。ファイナル大会という決勝大会に招待されるのは約150名です。
■ファイナル決勝大会
ファイナル決勝大会は7月に東京・大阪・福岡で開催されます。1位から3位にはメダル・表彰状・トロフィー・副賞が授与されます。4位から9位には表彰状・トロフィーが授与されます。日本数学オリンピック参加選手の登竜門となっており、過去のメダリストには、その後、国際数学オリンピックで活躍している者も多いようです。
[トライアル地区大会の試験内容]
試験 時間 | 問題数 大問 | 満点 | |
キッズ BEE | 60分 | 9問 | 100点 |
ジュニア 算数 オリンピック | 90分 | 10問 | 100点 |
算数オリンピック | 90分 | 10問 | 100点 |
ジュニア広中杯 | 90分 | 11問 | 100点 |
広中杯 | 90分 | 3問 | 150点 |
[ファイナル決勝大会の試験内容]
試験 時間 | 問題数 大問 | 満点 | |
キッズBEE | 60分 | 8問 | 100点 |
ジュニア算数 オリンピック | 120分 | 8問 | 100点 |
算数オリンピック | 120分 | 8問 | 100点 |
ジュニア広中杯 | 130分 | 3問 | 100点 |
広中杯 | 130分 | 5問 | 100点 |
[メダリストになるための点数]
金メダル | 銀メダル | 銅メダル | |
キッズBEE | 75点以上 | 50~74点 | 49点以下 |
ジュニア算数 オリンピック | 77点以上 | 60~76点 | 59点以下 |
算数オリンピック | 80点以上 | 65~79点 | 64点以下 |
ジュニア広中杯 | 41点以上 | 30~40点 | 29点以下 |
広中杯 | 82点以上 | 60~81点 | 59点以下 |
参考:日本数学オリンピックとは
日本数学オリンピック (JMO)とは、国際数学オリンピック (IMO:International Mathematical Olympiad) へ参加する日本代表選手を選ぶため、日本国内で行う数学コンテストです。 2020年の第30回 JMO には4,767名の中学生・高校生が参加しました。
JMOには予選と本選があります。予選は1月に全国各地の試験会場で開催されます。本選は2月に開催されます。約20名の AA ランク者が表彰され、 IMO の日本代表選手候補として3月の春合宿に参加して、テスト結果等に基づいて日本代表選手6名が選ばれます。
算数オリンピック参加のメリット
算数オリンピックに小学生が参加するメリットはたくさんあります。
●算数オリンピックの大舞台を経験できる
全国の小学生が対象の算数オリンピック入賞という目標に向かって勉強をして、オリンピック大会という大きな舞台に立つ経験をすることは、必ず子供の成長につながるでしょう。そして、入賞すれば大きな自信になるでしょう。中学受験を目指す子の場合は、入学試験という大舞台の前の貴重な体験が受験に活きてくるでしょう。
●算数オリンピック対策で思考力と発想力が養われる
算数オリンピックの問題は思考力や発想力が必要となる難問ばかりです。算数オリンピック対策として過去問や対策用の問題集を使って演習を繰り返すことで、思考力と発想力が養われるでしょう。
●算数が好きになる
算数の問題は、クイズやパズルのような問題です。いろいろ考えて正解できるようになれば、算数の問題を解くことが楽しくなるでしょう。楽しくなれば、もっと勉強して出来るようになるでしょう。
算数オリンピックの勉強方法
算数オリンピックに参加するにあたって、算数の基礎がしっかり身についていることが前提になります。そのために学校の教科書レベルをしっかり身につける塾・通信教育や家庭教師を活用しましょう。
基礎を固めた上で、学校の授業より先の単元を勉強していく先取り学習をしましょう。そして、算数の基礎力がついたら、算数オリンピック対策を始めましょう。参加を決めたら算数オリンピックの出題傾向を過去問で確認しましょう。そして出題傾向に合わせた問題集にひたすら取り組みましょう。算数は繰り返し問題を解き、なるべくたくさんの問題を解くことが上達のポイントです。
■算数の基礎固めと先取り学習
勉強する習慣がない方は「オンライン塾」を活用して曜日と時間を決めて勉強することがおすすめです。勉強方法を教わりたい方は、「オンライン家庭教師」を活用して個別指導を受けましょう。
ある程度勉強する習慣がついている方は、「オンラインの塾」で基礎固めと先取り学習ができます。自分の学びたい単元を選んで復習したり、先取り学習することができます。
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算数オリンピックに挑戦の前哨戦として、公益財団法人数学検定協会が文部科学省後援のもと実施する「算数検定」を受検するという方法もあります。
■正解に導く解法を身につける
算数オリンピックで出題される問題は学校の学習指導要領に準拠していますが、難問ばかりです。偶然に答えが合ったというだけでは意味がありません。問題に対する解説をしっかり確認して、正解に導く解法を身につけることが必要になります。
算数オリンピックで上位入賞を目指す方は過去問で出題傾向を踏まえた特別な対策が必要になるでしょう。難問ばかりですが、小学生向けに出題される問題です。しっかり解説を確認して一つ一つ理解していくこ都が大切です。
■過去問で出題傾向を確認する
算数オリンピックは「知の祭典」とも言われます。算数オリンピック公式HPに過去実際に出題された問題が掲載されていますので確認してみましょう。
参考
算数オリンピック対策の問題集
算数オリンピックでファイナリストに残りメダルを受賞するためには、難易度の高い算数オリンピックの過去問を繰り返し解き、対策することが必要です。
算数オリンピック決勝大会に進出してメダリストになるためには、出題される難問に対して「簡単に諦めない」「正解を出すまで粘り強く考える」ことが必要になります。どんな問題がでても解答できるように対策問題集や過去問に繰り返し取り組みまししょう。
算数オリンピック対策用の問題集は「算数オリンピックオンラインショッピング」で販売されています。一般の書店では発売していないので、直接取り寄せましょう。
- 算数オリンピック問題集
- キッズBEE問題集
- 明日への算数
(注)「2024年度版算数オリンピック過去問題集」(税込4,500円)と「2024年度版キッズBEE過去問題集」(4,000円)
算数オリンピック対策の塾
算数オリンピックは日本全国の算数が得意な小学生たちが集まります。中途半端な学力ではメダリストにはなれないでしょう。特別な対策が必要なので、独学での勉強では難しいです。算数オリンピック入賞を目指した算数専門の塾がありますので紹介します。
IMAインターネット算数・数学アカデミー
算数オリンピック大会専務理事で数学者のピーター・フランクルさんが校長を務める算数・数学のアカデミーです。ピーター・フランクルさんは、1971年に国際数学オリンピックの金メダルを取得しています。
公式の暗記や、ひたすらパターンの計算をするのではなく、自由な発想を用いて解答していく授業内容です。本来の算数・数学を学ぶことができ、算数オリンピック上位入賞を目指す方にはおすすめです。授業はオンラインで行うため、全国どこにいても自宅で受講できます。
[特徴]
- 算数オリンピック、広中杯、数学オリンピックでメダリスト・入賞者多数輩出
- 算数オリンピック委員会による英才教育
- 灘・筑駒・ラ・サール等の難関校の会員が多数在籍
[コース]
小学2年生~中学3年生 全9コース
[学習内容]
学習室の問題は6つのカテゴリーに分かれていています。じっくり時間をかけて考え抜くことを目的とした問題が出題されます。毎月1日と16日に問題が更新されます。
- 数の性質の世界
- 数の変化の世界
- 平面図形・立体の世
- 数理パズルの世界
- 文章題の世界
- 論理の世界
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最後に(まとめ)
今回は、算数オリンピックについてお話しました。算数オリンピックは全国から算数が得意な小学生が集まり、実力を競い合う大舞台です。
ぜひ、算数が好きな子や算数が得意な子には挑戦させたいですね。また、中学受験をする子も多く挑戦しています。中学受験の入試では、合否を分けるのは算数といわれています。特に難関中学校受験者は「算数オリンピック」に参加するのはいいと思います。
大半の小学生は算数オリンピックに出題される問題は、すぐには正解できないでしょう。早慶高校全勝した私は、小学校時代の算数は本当に苦手でした。算数の問題を見るのも嫌いでした。算数は中学校になると数学に変わります。私は算数よりも数学の方が合っていましたので、中学校時代に得意科目になりました。
ですから、小学校時代に算数が苦手でも心配する必要はありません。数学になればできるようになった子も多くいると思います。
最後に、算数オリンピックは自分から挑戦したいと思う小学生のみおすすめです。親が誘導するのであれば、まずは語学の国語・英語の勉強として、漢字検定や英検を優先して受検することをおすすめします。