公立中高一貫校受検を検討中の小学生のお父さま・お母さまは必見です!
公立中高一貫校では高校受験がなく大学受験を想定した進度や授業の質が高いことが特徴です。公立なので私立校と比べると学費が格段に安く大変人気になっています。
この記事では公立中高一貫校の特徴をわかりやすく説明します。そして、公立中高一貫校の受検対策におすすめの通信教育を紹介します。
公立中高一貫校の特徴
国は私立と公立中学校の格差を是正するために1999年に3校の公立中高一貫校を設立しました。将来的に全国で500校程度の公立中高一貫校の開校を目指しています。
公立校は国や地方自治体が設立して運営する学校です。「地域」「家庭」「学校」の三者が協力して、よりよい教育を目指していくという理念があります。
中高一貫校独自のカリキュラムに加えて、地域に密着した授業も積極的に取り入れられ多様な教育が受けられます。公立でありながら、大学受験を想定した進度や授業の質が高いことが特徴です。
[中高一貫校の特徴]
- 高校入試がなく高校に進学できる
- 中高一貫教育で授業の質が高い
- 地域密着型
- 公立なので学費が安い
- 入学者の選抜があり対策が必要
公立中高一貫校の種類
公立中高一貫校は「中等教育校」「併設校」「連携校」の3種類があります。
- 中等教育校
- 併設校
- 連携校
それでは、一つずつ見ていきましょう。
1.中等教育校
中学と高校の区分けをしない6年制の学校です。中学校にあたる前期課程3年と高校にあたる後期課程3年に分かれています。
高校からの生徒の募集はありません。6年間を通じた特色を活かした独自のカリキュラムが組まれています。
2.併設校
既存の公立高校に新しく中学校が併設されたものです。中学校に入学すると高校受験なく高校に進学できます。高校からも生徒を募集します。
3.連携校
市町存立の中学校と都道府県立の高校が連携している学校です。中学入学時は中等教育学校や併設型のような試検はありません。推薦枠などで優遇しているところもあります。
公立中高一貫校の合否判定
公立中高一貫校では私立校のように1日のテストだけで合否が決まりません。入学試験に該当する適性検査と作文、面接があります。そして小学校が作成する報告書が考慮されます。
公立中高一貫校では
私立校の「入学試験」に代わる
「適性検査」が実施される
合格判定は「小学5年~6年生の成績をまとめた報告書」と「適性検査」のスコアの合計「総合成績」で決まります。各校とも適性検査のウェイトが最も大きく約70~80%の割合で総合成績に反映されます。
※学校毎に異なりますので、詳しくは各学校のホームページで確認願います。
公立中高一貫校の適性検査
適性検査は国・算・理・社という4教科ではなく、適性検査ⅠからⅢに区分されています。試験時間は各検査45分です。小学校の学習で身につけた総合的な力を問う問題です。
国・算・理・社の単一教科だけでなはなく各教科を跨った問題が出題されます。例えば、時事問題についてグラフを読み取り自分の意見を求める記述問題やデータを読み解いて計算や場合分けを考えるなどの複合問題です。
[公立中高一貫校の適性検査]
・適性検査Ⅰ(45分)
→国語系・作文の問題
・適性検査Ⅱ(45分)
→算数・理科・社会の問題
・適性検査Ⅲ(45分)
→理系の問題(主に独自問題)
※都立中高一貫校では共通問題と各学校の特有の問題が出題されます。
公立中高一貫校の報告書と面接
公立中高一貫校では適性検査のウェイトが高いものの、報告書(学校が作成する調査書)の評価と面接も大切です。
選抜にあたっては、「志願理由書」「面接」「適性検査」「作文」「グループ活動」を組み合わせて合格者が決定されます。どのように合格者を決定するかは各学校で異なります。
[報告書]
小学5年~6年生の成績や学習態度や生活態度について小学校が作成した報告書を提出します。報告書は、各教科を3段階で評価した「各教科の学習の記録」が重要です。
[面接]
個人面接と集団面接、グループ活動など各自治体や学校によって形式は異なります。保護者の付き添いはなく、生徒と面接官との面接になります。しっかりと自分の考えが述べられるかどうかが評価に影響します。
(よくある質問例)
- なぜ、この学校を志望しましたか?
- あなたの長所はどんなところですか?
- 入学したら何をがんばりたいですか?
- あなたの将来の夢は何ですか?
- 小学校で何に打ち込みましたか?
- あなたの好きな教科は何ですか?
公立中高一貫校の受検対策
公立中高一貫校の受検に合格するために身につけたいことは次のとおりです。
- 偏り無く全教科の基礎的な幅広い知識
- 問題文を正確に理解する読解力と分析力
- 与えられた課題を理解して、自分の言葉で論理的に表現する文章力
- 算数の計算は早く正確に解く力
出題される問題は小学校の知識を問う単純な問題ではありません。複数教科の知識を横断的に活用する力が求められます。
知識の量よりも物事を論理的に考えて表現する力が必要になります。小学校の基礎学力は完成させた上で適性検査専用の対策が必要になります。
適性検査の基礎となるのは国語力。国語力アップに「小学生新聞」の購読が効果的です。親子で時事問題の記事を読んで、自分の意見を表現する訓練をしておきましょう。
公立中高一貫校の受検対策におすすめの通信教育
公立中高一貫校の適性検査は、教科基礎力では太刀打ちできないような独特な出題形式の検査です。自分の考えや、考えの根拠を表現する問題が多く出題されます。
そうした独特の出題形式に対応できる力を身につけなければ合格することはできません。ここでは、公立中高一貫校の受検対策におすすめの通信教育を紹介します。
Z会の通信教育(公立中高一貫校受検対策講座)
私のイチオシは、中学・高校・大学受験実績で有名な「Z会の通信教育(公立中高一貫校受検対策講座)」です。難関校と呼ばれる公立中高一貫校にも多数の合格実績を挙げています。
こんな方におすすめです。
- 塾なしで公立中高一貫校受検対策を行いたい
- 塾の私立中学受験対策と併用したい
- 演習量や答案作成力をレベルアップしたい
公立中高一貫校の適性検査対策に特化したコースです。小学5・6年生が対象です。「適性検査講座」と「作文講座」があります。
受講すると特典として「公立中高一貫校対策BOOK入門編・実践編」がもらえます。受検にあたってどのように対策するすればよいか等の基礎知識が満載の資料です。
適性検査講座
Z会が全国の公立中高一貫校で出題された適性検査を分析して作成されたテキストを使います。適性検査独特の出題形式に慣れながら解法の手順を身につけていきます。
また、長文の読み取りのコツや解答のポイントなど、難関校受検に役立つ実践的なテクニックも伝授してくれます。提出課題があって、理解度に合わせて添削指導をしてくれます。
[日々の学習量]
メインテキスト 1回40分
5年生 | 月2回 |
6年生 | 月4回 |
提出課題
5年生 | 1回30分×月1回 |
6年生 | 1回25分×月2回 |
[月費用]
税込・送料込
学年 | 12カ月 一括払い | 6カ月 一括払い | 毎月払い |
5年生 | 2,805円/月 | 3,135円/月 | 3,300円/月 |
6年生 | 3,060円/月 | 3,420円/月 | 3,600円/月 |
作文講座
多くの中高一貫校の適性検査で出題される「作文」の対策コースです。小学6年生が対象です。作文の書き方のポイントを解説してくれます。
いきなり作文を書き練習をするのではなく、カギとなる方法を読み、例題や練習問題で少しずつ作文を書いていく学習方法です。
テーマ型:短い設問文だけを手がかりに書く
課題文型:えられた文章を読んだうえで、自分なりの考えを書く方式
資料型:グラフなどの資料をもとに、それをふまえて考えたことを書く方式
[日々の学習量]
メインテキスト
6年生 | 1回40分×月2回 |
提出課題
6年生 | 1回50分×月1回 |
[月費用]
税込・送料込
学年 | 12カ月 一括払い | 6カ月一括払い | 毎月払い |
6年生 | 3,060円/月 | 3,420円/月 | 3,600円/月 |
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私のイチオシ
e点ネット塾Plus(公立中高一貫校受検対策)
次におすすめするのは、インターネット自宅学習システム「e点ネット塾Plus」です。公立中高一貫校の受検対策に特化した講義映像とオリジナルテキストを使った学習です。習い事もあるので自宅で効率的に勉強したいという方におすすめです。
全国どこにいても自宅で映像での授業が受けられて、費用も安くおすすめです。
受講コース詳細
このコースは公立中高一貫校の適性検査対策に特化したコースです。適性検査は小学校で習った内容を問う問題ではありません。
適性検査で求められる作文力や総合問題を解く力をしっかり身につける必要があります。社会・算数・理科・総合に分類した「講義映像」と「テキスト」があります。
オンライン教材なのでインターネットに接続できるパソコンがあれば、いつでもどこでも学習できます。
講義映像
全国の公立中高一貫校で出題された適性検査の問題を社会・算数・理科・総合に分類してテーマ別に分けた講義内容です。
カリキュラムの冒頭には公立中高校を志望される方向けのオリエンテーションと体験授業があります。本編の問題に対応したテキスト教材もあります。
単に答えを確認するだけでなく、関連する重要語句やあいまいな事項の解説、解答作成のポイントを丁寧に教えてくれます。
1.オリエンテーション
- 公立中高一貫校へ行くにはどうすればよいのか
- 適性検査とはどのような問題なのか
- どのように勉強を進めていけばよいのか
- 公立中高一貫校に合格する極意
2.体験授業
3.本編
- 前期(第1回~第16回)
- 夏期講習
- 後期(第1回~第16回)
- 冬期(入試)直前講習
- 志望校別対策
答えの確認だけではなく、関連する重要語句、なんとなくわかっているつもりになっている事項の説明、解答作成のポイントなど丁寧に解説しています。
オリジナルテキスト
中高一貫校の適性検査対策に特化した教材です。全国の公立中高一貫校で出題された適性検査の問題を、社会・算数・理科・総合に分類してテーマ別に分けています。
[テキスト内容]
・年間3分冊
(前期115ページ/夏期51ページ/後期99ページ)
・例題・基本問題・演習問題で構成。
・実際の適性検査と同様に絵や図、写真から読み解く問題が多数掲載
作文・文章添削サービス
適性検査では文章作成だけでなく作文が別に課題となることもあります。作文の対策として作文・解答を書いて送ると無料で校正・添削してアドバイス付きで返送してくれます。
作文をしっかり学べば「読解力」「表現力」「考える力」「物事を人に伝える力」を身につけることができます。
受講料
「e点ネット塾Plus」の受講料は次の通りです。テキスト代金等はかかりません。
入会金 | 通常価格→特別割引中 20,000円→2,000円 |
口座振替 | 通常価格→特別割引中 7,500円→5,000円 |
6カ月一括 | 通常価格→特別割引中 42,000円→25,200円 |
※2022年5月5日現在
※価格は税抜価格
※詳細はe点ネット塾公式HP参照
[テキスト代金]
- 前期対策テキスト 無料提供
- 夏期対策テキスト 無料提供
- 後期対策テキスト 無料提供
※テキストは送料無料です。
[受講料の支払方法]
「毎月口座引落コース」と「6カ月一括コース」があり、6カ月一括コースは毎月口座振替に比べて料金が割安になっています。
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公立中高一貫校の授業内容
公立中高一貫校では高校の学習内容を中学校のカリキュラムに含めることができます。中学校と高校で共通する単元については、一貫性を持って分かりやすい順にカリキュラムを進めることができるのです。
高校入試がなく比較的ゆとりをもって6年間じっくり学習に取り組むことができます。国が運営する公立校のためあらゆる分野の科学者や学者と生徒が接する機会を設けてくれることもあります。
また、地域との結びつきを活かして地元の企業や大学の協力を得た取り組みも行われています。国際社会や地域とともに様々な分野に関する識見が広がって貴重な体験や経験を積めることができます。
- 6年間のゆとりのあるカリキュラム
- 各校が独自のカリキュラムを展開
- 地元の企業や大学の協力を得た取組み
公立中高一貫校の学費
公立中高一貫校のメリットはなんと言っても学費が安いということです。中学校3年間は義務教育なので一般の公立中学校と同じように入学金や授業料はかかりません。
また、現在では公立高校の授業料が無償化されているため授業料はかかりません。入学後に必要となる費用は私立高校の約3分の1で済みます。
[入学後の学習費用(年平均)]
引用:e点ネット塾 ePlus公式HPより
公立中高一貫校の受検対策費用
私立中高一貫校に入学するために、多くの小学生は小学4年生から準備を始めます。一方、公立中高一貫校の場合、受検生の約75%が6年生から対策学習を始めています。そのため入学前の受検対策費用は私立高校の約2分の1しかかからないのです。
[入学前の受検対策費(月平均)]
公立 | 私立 | |
家庭学習 | 4,156円 | 4,794円 |
塾・家庭教師 | 21,468円 | 50,150円 |
合計 | 225,624円 | 54,944円 |
引用:e点ネット塾 ePlus公式HPより
公立中高一貫校選抜から合格まで
9月頃から各自字体で入学案内のお知らせがあります。そして、11月頃から願書が配布されます。検定料は約2,200円と格安です。
12月頃 出願
1月~2月 試検
2月~3月 合格者の選考と合格者決定
※試検前に書類選考や抽選で受検者絞り込む学校もある。また、合格者の選考と合格者の決定の間に抽選を行う学校もある 。
[入学までに主に必要なもの(例)]
- 入学願書
- 報告書(小学校が作成する調査書)
- 志願理由書
※詳細は各自治体に確認願う。
公立中高一貫校(都立)の受検倍率
東京都の公立中高一貫校の2022年度試検倍率は設立調当初より下がってきましたが、それでも平均4.66倍と狭き門です。
[2022年度都立中高一貫校の試検倍率]
募集 人員 | 応募 人員 | 倍率 | |
小石川中等教育 | 155 | 712 | 4.59 |
白鷗高等学校附属 | 130 | 706 | 5.43 |
両国高等学校附属 | 160 | 781 | 4.88 |
桜修館中等教育 | 160 | 827 | 5.17 |
富士高等学校附属 | 160 | 610 | 3.81 |
大泉高等学校附属 | 160 | 736 | 4.60 |
南多摩中等教育 | 160 | 679 | 4.24 |
立川国際中等教育 | 130 | 662 | 5.09 |
武蔵高等学校附属 | 160 | 495 | 3.09 |
三鷹中等教育 | 160 | 944 | 5.90 |
合計 | 1,535 | 7,152 | 4.66 |
引用:東京都「令和4年度(2022年度)東京都立中等教育学校及び東京都立中学校入学者決定応募状況」
最後に(まとめ)
今回は公立中高一貫校の特徴と受験対策について紹介させていただきました。参考になりましたでしょうか?
私立は学費が高く大変というご家庭には、公立校は大変ありがたい学校です。大半が小学校6年生から対策を始めるということもあり、受検対策費用も抑えられます。この記事がお子様の進学先の選択の参考になれば幸いです。